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切羽詰まりながら大声を出してみるが、それは逆効果だった。
「んぐっ……!」
笹原の指が口の中に入る。
「お前トイレするときそんなうるせーのかよ」
それ以上を言わせないとする笹原の声が耳元で重く響いた。
背筋が凍る。
授業に戻るのに、今殴られるわけにはいかない。
だからといって大人しく言いなりになるほど、俺のプライドも安くはないんだ。
「どーかしてる……っ、まじでない……!」
きつく睨みつけ、俺は笹原の表情を見て後悔する。
笹原の目の奥に、確かな興奮の色が映っていた。
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