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「思い出せない。何だったっけ?」
篤の次の言葉に、俺は初めて顔面蒼白というものを体験する事になる。
『エリちゃん今日誕生日だろ!!!!一週間前、お前に一生懸命お願いしてたじゃん!一緒に過ごしたいって!』
そ
う
い
え
ば
。
あの時俺…携帯ゲームに夢中で適当に「わかった」とか言ったかも。
ってか誕生日だからあんなに必死だったのか!!!
…やべ。
誕生日に一人でいる辛さはよく知ってる。
…あいつ絶対まだ待ってるよな。
女なのに。
夜中なのに。
しかも駅前で!!!
そう考えた瞬間、俺は携帯を切って部屋着のまま部屋を飛び出していた。
「エリ!!!!!」
駅に着いたのは11:30。
名前を呼んであたりを探していたら、男二人に声をかけられているエリを発見した。
…ナンパされてんじゃねぇか。
って、俺のせいか。
「エリ。」
小走りに近づいて名前を呼ぶとエリがこちらを見た。
その瞬間にエリが嬉しそうに笑う。
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