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「こんな時間じゃ楽しいトコもねぇしな~」
つぶやくとエリが勢い良く挙手した。
「カラオケ行きたいです!!」
「は?なんで誕生日にカラオケ?」
日常生活で超行くトコじゃん。
「だってだって!まだ裕ちゃんとは行った事ないし…祐ちゃんすごく歌上手だって篤君が。」
あ~篤余計な事を!!
でもまあ誕生日だしな。
「しゃーねぇな。行くぞ!」
「はい!!」
エリの弾んだ声がなんだかくすぐったく感じる。
何か、こんなにエリを喜ばせた日って今までにないな。
たまには…こんな日も良いかも。
なんて事を考えながら。
繋いだままの手は意外に心地良かった。
近くのカラオケボックスに入った俺達は互いに検索リモコンで曲を選んでいた。
「祐ちゃん何歌うの?」
ワクワクした顔で聞いてくるエリ。
「ん~わかんね。エリ適当に選んで。」
特に歌いたい曲もねぇし。
俺が言うとエリは迷う事なくラブソングを入れた。
しかもベッタベタのラブソング。
「ちょ…お前なぁ…」
俺の文句も虚しく演奏は始まってしまい、仕方なくマイクを握る。
ってかこの曲、好きとか愛してるとかめちゃくちゃ出てくる曲だし。
うわ~寒い~。
嫌々ながら歌い出したら、エリの目がハートになっていくのが分かった。
まぁね。
俺歌もうまいしね。
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