冷たい雨

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エリもやっとご飯を食べ終えトコトコと俺の頭の上に立った。 「頭、痛くない?」 床にそのまま寝転んでる俺を心配そうに覗き込む。 「あ?いてぇよ。」 マンガから目を離さずそう言うと俺の頭が持ち上げられた。 そして柔らかいものの上に下ろされる。 これ…膝枕じゃん。 俺そんな年じゃねぇし…。 でもエリの膝枕は思ったより柔らかくて、凄く気持ち良かった。 「もう痛くないでしょ?」 ニコッと笑ったエリがこれまた可愛いくて。 エリの頭に腕を回して引き寄せる。 グイッ。 「んっ…」 エリの柔らかい唇を吸った。 チュ… 唇を離すと物足りなそうに俺を見つめている。 でも。 「やべ、ねみぃ………。」 膝枕があんまりにも気持ち良過ぎて目をこすった。 「ふふっ。…寝ようか。」 ベッドに入ると、エリがソファーに寝転がる。 「…何してんの?」 「え!?寝ようかと…」 「女ソファーに寝かす奴がどこにいんだよ…早く来いよ眠ぃんだから。」 ちょっとイラッとしながら言ったはずなのに、エリが頬を染めた。 …そういえばエリとベッドでした事なかったな。 泊まりも今日が初めてだ。 「…」 無言のままエリがベッドに入ってくる。 「…端にいたら落ちるぞ。シングルなんだから…」 なんだこいつ。 付き合ってるくせに何この距離感。 ちょっと面白いな。 「うん!」 エリがもぞもぞと近づいてきて向かい合うように目を閉じた。
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