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季節はすっかり夏だ。
暑いのなんのって。
もうね、動くのさえ嫌になるね。
んでもってエリとの付き合いもなんと5カ月になった。
篤には驚かれている。
『こんなひどい男に5カ月も付き合えるなんて…エリちゃん偉い!!』
とかって。
いや親友のくせに俺貶すなよ。
ひどい男ってなんだっつーの。
………否定はしねぇけど。
なんて事を、修了式の校長の話を聞きながら考える。
明日から、夏休みだ。
放課後、いつものようにエリが迎えに来て、並んで帰る。
手とかは繋がない。
だるいし…。
「祐ちゃん。」
「ん~?」
突然エリが隣から俺を見上げた。
めんどくさそうに答える俺。
「あのね、明日、デートしない?」
「は~?夏休み初日に!?…無理、睡眠のが大事。」
一瞬傷ついた顔をしてから、いつも言いなりのエリにしては珍しく食い下がってくる。
「お願い!明日は一緒にいたいの!」
「めんどくせぇな~。」
「…明日、6時に駅前で待ってる。」
「いかねっつの。」
なんだこいつ。
やけにグイグイくんな。
「来てくれるまで、待ってるから。」
ニコッと笑うエリに、ちょっとイライラした。
俺は返事もせずマンションの階段をのぼる。
その後を慌ててエリがついてきている。
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