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慶ちゃんを好き、なんて。
おこがましくて、言えるわけがないけど。
それでも私はなんでもいいから、彼の力になりたかった。
その熱い思いが、なんだか変なほうに行ってしまったんだけど。
でも、その頃の私にはそれが名案に思えたのだ。
「なんだよ、それ。
アホじゃねーの」
あんのじょう、慶ちゃんはあきれたようにそう言って、鼻をすすった。
でもしばらく沈黙したあと、
「サンキュ」
って、ふとんの中から小さな、くぐもった声で、お礼を言ってくれた。
私は慶ちゃんを、少しでも元気づけられたことが嬉しくて。
思わず彼に飛びついて、ギュッとふとんごと抱きしめた。
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