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顔をしかめる慶ちゃんに
「え?
じゃあ、高瀬くんの何が聞きたいの?」
きょとんとして尋ねると、彼は片手で頭を押さえて、呆れたようなため息をもらした。
(あれ?私、また何か間違った?)
慶ちゃんが、高瀬くんのこと知りたがったから、彼の、人とナリを、分かる範囲で説明したつもりだったのだけど。
うーんと悩んでいると、慶ちゃんは軽く私を小突いて、口を開いた。
「大体、お前呼び出されたからって誰にでもホイホイついて行くなよ。
犬のくせに警戒心ゼロだな」
慶ちゃんの言葉に、パチパチ目をしばたかせる。
「でも高瀬くんはいい人だよ。
みんなに親切だし。
面倒見もいいし」
「ああ?
いかにもむっつりスケベそうな顔してんだろーが」
「そうかなあ。
結構マジメな人だと思うけど」
首をかしげながらそう言うと、ぴたりと慶ちゃんの足が止まった。
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