ペットとご主人様

4/10
前へ
/327ページ
次へ
「僕、吉住さんが好きなんだ」 「へ?」 思わず、間のぬけた返事を返して、私はマジマジと彼を見つめた。 好き? 高瀬くんが私を? 頭の回路が故障したのか、言葉の意味が上手く理解できなくて、首をかしげる。 だって高瀬くんは学年一の秀才で。 女の子にも男の子にも、人気があって。 その高瀬くんが、トロくてドンくさい私を好き? まさか。 常識的にアリえない。 「ああ!! もしかして何かのバツゲーム?」 ポンと手を打って納得した私は、ニコニコと彼を見上げ、ひとさし指を立てた。 「もう! いくらトロい私でもだまされないよ? だますならもっとリアルな相手じゃないと。 じゃあ。私急ぐから。 これで!」
/327ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3418人が本棚に入れています
本棚に追加