03

79/89
前へ
/240ページ
次へ
『既に君も特別な存在だというのに……まあ、いい一応説明しておいてやるか 目の前にいるこいつは座敷わらしだ 低級のな…… その身分のくせにノコノコと出てきやがって 我輩の仕事が増えただけではないか! 全く……神様も人使いが悪い』 まあ、人じゃないけどね!きゃはははっ! と、狐は長々と喋った 「え……でも座敷わらしって東北の守り神なんじゃ……」 『普通はな』 「普通は?」 『座敷わらしは家を守る神だ たまに子供に紛れて遊ぶこともあるみたいだな 聞いた話だが…… だからこその……運動会?だろ?』 「体育大会な」 なるほど…… 確かに今の説明通りの存在なら、納得がいく 幽霊か神様かは知らないけど、座敷わらしなら人間に紛れることも可能か 普通にコミュニケーションも取れる だから騎馬戦にいたのか 『でも、ハルカ様は気づいていらっしゃったと思うぞ』 「ハルカ様?」 『ハルカ様だ』 「………………」 『話が逸れたな、さて座敷わらしよ お前はどうするんだ?』 『俺は……』 心なしか体が震えている気がする 自分の正体がばれ、目前の敵が強大で勝ち目がないのは目に見えているようだ 無知な僕でも、この狐が強いってことは分かる ハルカやサムサイ達と違った迫力のあるオーラを感じる……
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加