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『ただでさえ力を失った俺には、もう人間に干渉できる程の力もあまり残されていなかった
戦争を乗り越えたのも奇跡
土地が失われなかったのも奇跡 と、彼らは誰1人として俺のおかげと言ってはくれなかった
もちろん感謝されるために守ったわけではない さっきも言ったが俺は皆を守りたかったんだ
だが、時間が経つにつれ、徐々に皆は俺のことを忘れていき天皇が代わった頃には俺は完全に独りになっていた
あそこに俺の居場所はない
だから俺はここにきた
南には幽霊と暮らす少年がいると聞いて
俺はお前を探していたんだ 川崎 真
度重なる悪態について謝る
だが信じてくれ 俺は独りが嫌だったんだ
普通に話かけてもまた忘れられてしまう
だから俺はお前達の邪魔をしたんだ
正直に言うと、もう満足なんだ お前達のおかげで良い夢を見ることが出来た
ありがとう』
そう言うと座敷わらしの体は光始めた
「成仏するのか」
サムライの時と同じ風景が僕の目には映った
『もう思い残すことは無いよ ありがとな真よ』
「この学校を守ってくれよ!」
僕は叫んでいた
「家を守る神様なんだろ!?学校くらい守ってくれ!」
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