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「別に嬉しくは無いよ……」 「誇りに思っとけば?」 「そう?」 「うん 他に取り柄がないんだから」 「酷い! 竹内さんより酷い!」 「竹内さんはこんなこと言わないでしょ」 「いや、それがここだけの話なんだけど……」 僕が城ケ崎さんに話そうとした瞬間 後ろから服の袖を掴まれた気がした 恐る恐る後ろを振り向くと…… 「川崎くん…飯盒……出来た」 「…………あ、うん」 買い被りモードの竹内さんがいた 「えっと……じゃあ私は先生に報告してくる!」 「あ、ちょっ……」 城ケ崎さんは何かを感じ取ったのか分からないが、ダッシュで逃げていった それはもう日本記録が出るんじゃないかってぐらいに…… 「川崎くん?何を言おうとしていたの?」 「帰ったらパフェ奢りますだから許して下さい!」 「ご一緒にクレープはいかがですか?」 「……分かりました」 「川崎くんって意外に人の悪口言うわよね」 「いや、別にそういうわけじゃ……」 「じゃあ、どういうわけ?」 「少しは僕の苦しみを感じ取ってくれれば……と」 「川崎くん 向こうにね?崖があるのよ……今から行こ?」 「怖っ!」
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