愛しき日々

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成る程ね……。この歯に衣着せぬ物言いが この様な自体を招いたか。 その時、「ただいま」と 複数の声が 聞こえ、居間に 松陰、晋作、栄太郎、九一、玄瑞が入って来た。 5人は何故、小五郎が此処に居るのか?解らず 須王に 目線を送ると 「珍獣観察。噂の真相を確かめにだって どうやら俺、破門扱いだから」 晋作が「ケッ、おめぇが 授業中に 余計な茶々入れるからだろ?自業自得だ」 「茶々なんて、心外だなぁ。俺は 先生が、 「今の我が国の現状を、どう思いますか?」 って 質問に対して お前達が 幕府批判ばかり述べて じゃあ 具体的に此処を改善すべきだ とか、自分達は 何が出来るか とか それを 話さないで 酔っ払いの オヤジみたいに、馬鹿だぁ~さっさと滅ぶべきだぁ~揚句の果てに 天子様万歳~ って 延々と程度の低い会話してるから指摘したのに 実際そっちの話に なると 誰一人答えられなかった じゃないか?」 松陰は 桂に耳元で小さく 「あの子の目線は 同年代の子より 遥かに上。私ですら 返答に 困る時がありますから」 と、苦笑い気味に話した 桂も 須王に目を向け、先程の小物 発言に苦笑い。 須王達が 騒いでいると、真央が やって来て、興奮しながら、 「須王ちゃん、漸く思い出したよ!!桂小五郎」 皆、真央を見て、桂は 「何の事かな?」とか 九一は「そんなに 有名なの?」 真央は 得意気に 「うん。凄く有名人だよ。渾名が 『逃げの小五郎』 って呼ばれてて、須王ちゃん どうしよう、本人だよ?!」 一同 一瞬静まり返ったが次の瞬間 桂と須王を除き大爆笑 「にっ、逃げの小五郎~ 格好悪っ」 松陰ですら 顔赤くして笑うの堪え 残り4人は 床に 寝転び 涙を浮かべ、ヒィヒィ言いながら 「腹が捩れる~あ~もう駄目、死ぬ」 言われた当の本人は 顔を真っ赤にし 「腹が捩れて 死ね」 怒り心頭で その日の松陰宅は 阿鼻叫喚地獄と化した……。
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