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桂が 立ち去った後、須王を 除き、皆ぐったりしていた。
晋作 「お前なぁ、誰にでも 噛み付くなよ…。こっちまで、とばっちり来たじゃねぇか」
真央「須王ちゃん、桂さんの事 嫌い?」
心配そうに 見詰めて来る真央に 頭を撫でながら
優しく 微笑み
「そんな事はない。心配しなくても良い」
その光景を見た、晋作、栄太郎、玄瑞、九一は、
(コイツ、天然のたらしだな……。)
栄太郎「じゃあ、なんで 怒らせる様な事 言ったりしたのさ?桂さん 優しいし 滅多に怒らない人なのに 須王の態度 失礼だよ」
須王は 目を細め、そうだな。と意味あり気に言う。
「人は 感情的になる事によって、本質を 伺い知る事が出来る。確かに お前達の言う通り、温厚で 誠実な人柄だな。
が、為政者としては どうなのか?
これから訪れる お前達にとって 未曾有の危機に
ただの『良い人』だけでは 困るのだよ」
松陰は では、須王 貴方から見て 桂小五郎は どのような 人物か 教えて くれませんか?と 尋ねると
「先程も 言った通り、温厚で誠実、そして 的確な情勢判断力はある」
じゃあ、文句無しじゃねぇか と晋作は言う
「敢えて言うなら、慎重派過ぎる。そこが 一番問題なのだよ。
此処ぞという、決断を下さなければならない時、
即決出来ない。二の足を踏む。それが 彼の弱点だ」
松陰「須王、完璧な人など いませんよ?小五郎はその皆の中でも、よく やってくれています」
須王は 盛大に溜息を付き、平和ボケは これだから困る。平常時において、奴の 能力は遺憾無く発揮されるだろう。
「誰も、あのオヤジに完璧さなど 求めてない。ただ、上に立つ指導者として、生きるか、死ぬかの 瀬戸際の時、それでは困ると 言っているのだよ。
そういう選択が、近い将来 幾度も 訪れる、その時の 責任者が 桂小五郎だ」
どうやら、痛い目見ないと 解らないようだな?
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