愛しき日々

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という事が、ありましてね。松陰は 須王が桂を評した時の話をした。 「………………………」 あの糞餓鬼に、まんまと 誘導され 乗せられたかと、苦虫を噛み潰した様な顔する桂。 「松陰さん、とんでもない猛獣を 拾ってしまいましたね。あの子が貴方に、牙を剥かなければ 良いのですが…」 その言葉に松陰は、苦笑いし 頭を掻きながら 「早速 可愛いチビ虎に 引っ掻掛かれましたよ」 来年自分が起こす事件や、自分の犯した過ちのせいで おこる 悲しい結末を 桂に話した。 桂は あまりの衝撃的な内容に 言葉を失い 松陰は「同じ愚行を、二度も繰り返すのか?安易に選ぶ死など許さないって、あの子に たっぷり叱られました…」 桂は 例え糞餓鬼の虚言だとしても、松陰さんは どんな答えを出したのだ? 案ずる様に松陰を見ると 松陰は 今までの和やかな気から一変し、決意した表情で 「『死して不朽の見込み あらば いつでも死ぬべし生きて大業の見込みあらば いつでも生くべし』 小五郎、私は生きます。生きて あの子達と共に 新たな夜明けを見てみたい」 「それにしても小五郎、今の格言 良いと思いませんか?あれ、実は私が言ったらしいんですよ」 「??らしい?松陰さん、自分で言ったのでしょう?」 松陰は 茶目っ気に あれ 須王に教えてもらったんです。 「………………………」 今までの 緊張感が一気に脱力し、桂はじと目で松陰を見て 盛大に溜息を吐いた後 「その言葉 聞けただけでも 安心しましたよ。もし計画を遂行するなんて 言い出したら、私は大切な無二の親友を失う事になりますからね。 私は、大切な家族を失った そして、今度は貴方まで…そんな 喪失の痛みはたくさんです」 桂は あの糞餓鬼には感謝しなくてはな。 少しだけほんの 少しだけだがな。………むかつく。 一方、噂された須王は くしゃみをし、晋作に 「移すなよ?お前 馬鹿だから風邪じゃねぇだろうが」 発言に、水をブッ掛けて なんなら自身で証明しろ。 お互い、実験「馬鹿は風邪ひかないか?」水遊び中である。
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