舞わりだす 運命

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須王は 先生は純粋過ぎるんだよ。相手を疑う事を 知らないし、出来ない。 だからね、誠心誠意持って伝えれば 相手も聞いてくれるって 「わざわざ 捕まる事に よって、上の人達に、自分の意見を 聞いて貰う為に その手段を選んだ。 でもね、上の奴等は そうじゃない。国の為じゃなく、如何に自分達の保身が出来るか?が基準だから 先生は 自らを脅かす 危険思想の持ち主の一人 ぐらいにしか 見られなかった… だから、幕府にとっては 好都合てな訳」 松陰は俯いて、もし その話しが 本当なら 私は… 私の やった事は…。 須王「うん。犬死にだね。いや、それより 質悪いかな? この 4人のお兄さん達、先生の復讐とか 言って、とんでもない事 仕出かすから」 その前に 聞きたい事がある。 「我等は 先生が 暗殺計画を 練っていた時、知らなかったのか?それとも 一緒に参加したのか? 」 と、玄瑞は尋ねた。 須王は 「4人とも知っていたよ。だって、先生から 暗殺計画 一緒にやらないか?って 持ち掛けられるんだから、 だから、必死に止めたよ。でも、無駄だった…… 先生の凝り固まってしまった 信念は 変える事すらできず、それどころか、絶交まで 言い渡されて 」 玄瑞、栄太郎、晋作、九一は 悲し気に俯き、最早喋る気が 失せてしまった 須王は 先生の目の前に 立ち、15歳の少年と思えない口調で 「今 そなたに問う、今までの話は、これから起きるであろう出来事。 繰り返すか?同じ愚行を」 凍てつく様な瞳で、冷厳と言い放つ 「今度は、そなたの番だ、 生きて この者達の 生き様を しかと 見るが良い 拒否する権利は そなたには無い。 吉田松陰よ、そなたも 見て学べ これから起きる 動乱の時代を 人々の血と涙と 慟哭の叫びを 心に 焼き付けるがよい。安易に 死を選ぼうなぞ 我が許さぬ」
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