舞わりだす 運命

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須王「そなたは 願った、「この者達を、助けてくれ」とな、 では、お前は願いの代償として 何を差し出す?」 松陰は尋ねる 「その前に、教えてくれませんか?この子達に 何が 起きるのか」 須王は 晋作、栄太郎、玄瑞、九一を 見渡しながら 「良いのか?本人目の前にして 言ってしまっても、 酷だぞ?」 栄太郎「僕は 構わないよ。裏でコソコソ 話されるより、余程 良い」 残りの 3人も頷く。 須王は 確認の意を込めて松陰を見ると、松陰も頷き 「良かろう。では、語ろう。先生 貴方の愛弟子達の 悲しき末路を…」 すべて 語り終えた時、皆自失茫然となり、 「皆、最期は 何を思い、何を 願って逝ったのだろうな……? この者達は 先生、貴方という鎖で 最期まで 捕われた。そして、命尽きた時 漸く その軛(くびき)から 解き放たれたのだ」 真央も、松陰も、皆も 涙を流した……。 「だが、今なら まだ間に合う。 今一度、問う。お前の願いの 代償は?」 松陰は、迷い無き目で 「私の命を」 晋作、栄太郎、九一、玄瑞も 先生の決意を止めると 思いきや、 「須王 僕達の誓願 叶えて。 願いは この『流れを 変えて』 そして 代償として 『僕達の命』だ 」 須王「…………………」 命、命と随分 命の安売りするものだな。これから 流れ 失う命に比べれば 貴様達なぞ 羽より軽い。 「あい 解った。だが 代償は お前達の『死』ではない 逆だ。 天寿を全うするまで、この世を 見続ける事。 決して 安易なものではないぞ?死より辛い選択だ それでも?」 松陰、晋作、栄太郎、九一、玄瑞は 決意した目で頷く。 「その誓願 聞き届けたり。だが 勘違いするな、我が守るは 藩や国に非ず」 我は お前達の道標と なろう。だが お前達が 少しでも、道を逸れた時は 容赦なく 鞭を振るわせてもらうぞ。 と、ニヤリと笑い 5人は契約した 相手間違えたかも…と 少し後悔した…。
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