舞わりだす 運命

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あの日の遣り取りの あった後、須王と真央は、松陰宅に住み、家事を主に 手伝っている。 須王も 一時期、松陰の松下村塾に 通っていたのだが、 何分 未来を知っているが故の 政治、思想、国の 在り方について語らせると、毒舌+爆弾発言を ブチかますので、真央共々 家事手伝いなのである。 そして夕餉の後、松陰は 須王に 「私の授業は 古臭くて 面白味が無いですか?」 と しょぼくれて尋ねて来た。それに対し 須王は、 「古い 新しいは、関係無いよ。寧ろ 先生の教え方は 斬新なんじゃないかなぁ 先生は 一人一人の個性に合った教え方するでしょ?そして 長所を伸ばす 理想の 教師だと思うよ」 松陰は 嬉しさ半面 では 何故? 「150年も、時が過ぎれば考え方も 違って来る。そんなのが 一人発言したら先生は 俺にどう 切り替えしするの?」 「私が答えられなかったら 皆で 考える事が出来ますよ?」 「それを 毎回繰り返すの?どっちが 先生だか 解らないね?それに、俺 日本人の 物の考え方好きじゃないから」 画一的な見方。みんなが こうだから、わたしもそうあるべき。個性がない。 今に 苦労するよ。異人達は その真逆だからね。 思った事は ずけずけ言うし、だから、異人達からすれば、日本人って 何考えているんだか 解らないって 解らなくて 当然だよ。自分が ないんだから。 松陰は 成る程。この子 相手に 教えるなんて難しい…。でも 話をしていて楽しい。こんな高揚感 久し振りだ。 だけど、と須王は 「武術の訓練だったら、参加するよ。晋作達を ぼこぼこ…あっ、間違えた。 お兄さん達に 稽古付けてもらうんだ」 全く、この子は…… でも、この子なら、きっと 私達が 例え暗闇をさ迷っていても 一筋の光となって 導いてくれるかもしれない……。
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