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ジリリリリリリ――というけたたましい警鐘と共に、
『伝令。緊急出動命令。侵略者出現。総員は直ちに戦闘準備を整え、D1087ポイントへ出動せよ。繰り返す、緊急出動命令。侵略者出現。総員は直ちに戦闘準備を整え、D1087ポイントへ出動せよ』
ヘルサターン基地内に、『大総統』からの命令が、各所のスピーカーより響き渡る。
「……おいおい、こりゃ久々に俺らも『正義の味方』ってわけじゃねぇか、1539号!?」
「そのようだな、1934号。……して、今回の相手は何なんだ、諜報員1037号?」
「今回の相手はですね……なんか、『マゾク』を名乗ってます。『我ラ、魔界ヲ治メル者ナリ。人間界ニ巣クウ人間ヲ滅ボス為、イザ参ラン』などと、宣戦布告文が送られているそうです」
「おお! そりゃあ、新しいタイプじゃねえか! 腕が鳴るねぇッ!!」
「いやはや、我々戦闘員ごときに仕事なんて残ってないだろうさ。あったとしても、下っ端の処理。こういうときは決まって、怪人クラスの方々が鬱憤晴らしに本気を出して皆殺しにしちゃうんだから」
「それを考えれば、わざわざ『マカイ』とかいう異空間からいらっしゃったのに、マゾクのみなさんは不憫ですよねぇ」
そう言って、ヘルサターンの戦闘員たち――一人でさえ、政府所属でない『正義の味方』の一個中隊くらいなら圧倒できる力を持つ、黒い専用のコスチュームに身を包んだ彼らは、変声機を通じた総統の『命』を受け、“国にとっての侵略者”を殲滅するべく、基地を後にした。
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