【旋 律】後編 第十三章

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  「だから、薫だけ行って、買ってきてよ!私はここで待ってるから」 スーパーの前で亜美は真っ赤な顔で、薫の身体をグイグイと押した。 「別に避妊具買うくらい、変なことじゃないだし、一緒に行こうぜ」 笑いながらそう言う薫に、 「な、何言ってんのよ、それを持って二人並んでレジに出すの? それって『これから私たちはそういうことをします』ってそこら中の人に触れ回るようなものじゃない!」 と亜美はムキになったように声を上げた。 「いいじゃんか、俺は大声で叫んだっていいよ。『これから愛し合います!』ってよ」 「ばか!」 「すっげぇ、大好きな子で俺は幸せ者ですって」 そう言って屈託のない笑みを見せた薫に、亜美はカーッと頬を赤らめて照れたように目をそらした。 「……ばか」 2人は顔を見合わせて、そっと手をつなぎ一緒にスーパーに入った。
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