【旋 律】後編 第十三章

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  二人は無事買い物を済ませ、スーパーを出て、コテージまでの道をゆっくり歩いた。 歩きながらなんとなく無口になり、亜美は沈黙に困ったように薫を見上げた。 「……留学の件、薫のお父さんとお母さんには相談したの?」 「少し前に……情けないけど自分の力だけではどうしても無理だしな。 『MBAを取りに留学したい、必ず返すから先行投資のつもりで援助して欲しい』って頭下げたら、親父は『よく決意した』って泣いてたよ」 「うちのお父さんには話した?」 「……兄貴にはまだ話してない。本当は真っ先に相談したいくらいなんだけど、兄貴は、すっかり俺の兄貴よりも亜美の父親になっちまった感じで……」 そう言って苦笑した薫に、亜美はムキになって身を乗り出した。 「そんなことないよ、薫のこと、すごく気にかけてるよ」  
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