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「楓ぇ、明日、デートしない?」
毎日のようにデートに誘ってくる彼女に対して、
「ごめん、明日は母さんの仕事が遅くなるから、弟の面倒を見なきゃいけないんだ」
と断ることが続いた。
「じゃあ、家に遊びに行きたいんだけど」
そう言って来た彼女に「それは、別に構わないよ」と答えた。
彼女が家に来ると、まだ幼い弟は彼女の姿に大はしゃぎし、まとわりつき、
子供が苦手な彼女は、部屋から出て行こうとしない弟の姿に終止、不機嫌そうに顔をしかめていた。
「ねぇ、二人っきりになれないわけ?」
吐き捨てるような言葉も印象的だった。
そして母が帰ってきたので、いつものように一日の出来事を母に話して伝えた。
それが決定的だったらしい。
家を出たと同時に「もう、会わないわ、無理」と彼女は、顔を引きつらせながら言った。
「楓ってマザコン?
お母さんお母さんって、マジキモいんだけど、ありえないわ。弟もウザイし。
いくら顔は良くても偏差値高い奴ってやっぱ普通じゃないわ」
そう吐き捨てて去って行った彼女。
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