出会い

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どこから聞こえてきたのか、辺りを見回してみると、段ボール箱の中で震えている仔猫がいた。 私は無言でその猫の近くにそっ、と近づいた。 私の姿を確認すると、猫は私の目を見据えて、 …ニャァ‥ と鳴いた。 さっきよりもはっきりとした声で。 『…生きたい‥』 そう、訴えているようだった。 …こんなに小さくても、必死に、生きようと頑張っている。 「…私と一緒に暮らす?」 試しに聞いてみた。 「ニャァッッ!」 『うんッッ!』 そう答えているように聞こえた。 私は、クスッッ、と猫に微笑んでから、猫を箱から抱き上げた。 「お前は黒に虎模様が入っているから…トラ、で良い?」 「ニャンッッ!」 元気な返事が返ってきたので、思わず笑ってしまった。 「よろしくね、トラ。私達の家に帰ろっか」 「にゃあん」 私はこの日、決めたんだ。いつまでも悲しんでいても、何も変わらない。 色んな困難があるかもしれない。けど、この仔と一緒に、一歩ずつ、前に進んで行こう、って… 6年前未夢side.end.~
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