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名前を呼ぶその声が旦那と重なり目を見開いて振り返るもやっぱり旦那は居なかった。ただ単に俺が泣いている事に驚いている土方さんだった
「おまッ…何泣いてっ…」
旦那に酷く冷たくされた日は言っても居ないのに土方さんだけが俺に優しくて、綺麗な手で頭を撫でてくれた、旦那みたいに。
「土方さッ…ひっ…土ッ…方さん…っ」
土方さんの服をきゅうっと握りしめ胸板に飛び込めば糸が切れたように大声で子供のように泣いた。
その間土方さんは文句も言わず俺の頭を撫でてくれていた。
「帰ろうか…総悟…」
ポンっと土方さんが俺の頭に手を置いて帰ろうと言えば俺は静かにコクンっと頷いた。土方さんの服をきゅうっと握りしめとぼとぼと屯所に向かう途中土方さんは俺を元気づけようといくつも今日あった話や昔の話をしてくれた。
その土方さんの優しさにまた目頭が熱くなった。
「…………んで、ちいせェババアがトイレに入ってよぉー……」
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