カーディガンの穴

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おでんの事を話したら樋口さんはいきなりニヤニヤしだした。 というより、堀田くんの話をしてから。 「…メガネ…おでん…男子…」 品だしをしながらブツブツさっきから繰り返してる。 どっかネジでも緩んじゃったのか? …うん。ほっとこう…。 伝票のチェックに意識を戻す。 「…アツアツです~…テヘッ」 「ちょいちょいちょいー!なにそれ。おでんなの?気持ちのことなの?」 どうやら樋口さんは堀田くんにお熱…らしい。 顔を見たわけでもなく、会話したわけでもなく、おでんを貰ったわけでもないのに。 「…店長!今度一緒に飲みましょう!店長んちの方で!コンビニで買い出しして!」 「いや、それ顔みたいだけでしょ?」 「ち、違いますよぉ。な、悩みがあって…」 「ほほう…。どんなだね?ほれ。話してみるがいい!」 ずずいっと詰め寄ると、さっと目を反らす樋口さん。 …いや、樋口。 「えっ!?い、いや~…あ、あれです!ほら!生理が来なくて~。」 「いや、彼氏いないでしょ。ってか婦人科行きなよ。ってかまさしく今日はブルーでーって話してたし。」
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