カーディガンの穴

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店内に入ると堀田くんの姿はなく、おじさんがレジでお客さんと話していた。 ヒゲ男爵かみてあげようと思ったけど…今日は休みかな? いつものようにビールとカフェオレ、お弁当をカゴに入れる。 あ。このパスタ食べたかったんだよね~! レジに向かおうと足を進めると、バックルームから堀田くんが出て来た。 「終わったよ。」 とレジに入るとおじさんはお客さんから堀田くんに意識をむけた。 「お、薫。終わったか。じゃあ俺は帰ってもいいかな?」 少し白髪混じりの髪にヒゲ男爵のおじさんは、なかなかな笑顔を見せながら堀田くんに聞いた。 「あぁ、いいよ。あとはやっとく。」 と爽やかな笑顔で堀田くんも答える。 ん? あれ?もしや…? 今まで話していたお客さんと一緒におじさんは出ていった。 空いたレジに私がカゴを置く。 「いらっしゃいませ。こんばんは」 「こんばんは。昨日はおでんご馳走様でした。」 「こちらこそ!クッキーおいしかったです。」
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