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「それはよかった。…ねぇ、もしかして今の人って、お父さん?」
カゴからお弁当を取り出してスキャンしている堀田くんは、驚いたように目を開いた。
「よくわかりましたね。
あんまり言われたことないし、パートさんも気付いてない人もいる位だから似てないと思ったんだけど」
「いやいや、そっくり!ヒゲ男爵…じゃなくてヒゲが生えてるか生えてないかの違いぐらいで。」
「…ヒゲ男爵?」
「あ。そこは気にしないで。」
クスッと堀田くんがわらってレンジのスイッチを入れた。
「うん。そう。特に笑った顔が。」
とレンジの方を向いたまま、またもや電池が切れた様子の堀田くん。
おいおい。
もしかしてご機嫌ナナメ?
「…そこに似てるっていわれるのも変な感じ。」
苦笑いを浮かべた堀田くんが振り返った。
ハハッと笑って返すと、私の手元にある支払いの紙を見て、尋ねた。
「あ。もしかして支払い?」
「あっと、そうそう。これ、お願い。」
ひらりと一枚紙を差し出しす。
その紙をスキャンしながら堀田くんが口を開いた。
「笹本千春って…もしかして自分のこと?」
「あ、うん。そう。」
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