カーディガンの穴

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「ごめんね、いきなり。気にしないルールなのはわかってたんだけど」 「いや、気にしないから」 「笹本千春さんね。ふーん。」 支払いの紙にスタンプを押しながら、ニッコリ笑顔の堀田くん。 「なになに?そんな笑うほどおかしいの?」 「いや、こっちの話しだよ。」 ふーんといわれて少し悔かったのかもしれない。 こっちも負けずとふーんと言ってやった。 会計を終わらせて店を出ようとすると、樋口の事を思い出してレジに戻る。 「そういえばさっ、今度知り合いがここに来たいって言うんだけど、いいかな?」 と堀田くんに話しかけた。 「ハハッ。ここはコンビニだよ?誰でも来ていい場所だから」 と笑顔で答えてくれた。 それが少し嬉しくて、私もニッコリ笑いながらありがとうと店を出ようとした。 その時だった。 ふと腕を捕まれてがくんと体が止まる。 堀田くんが腕を掴んで私を見ていた。 .
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