おでん事件

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ラジオを聞きながらヘラヘラ笑ってると、いつものコンビニに着いた。 お…誰もいないじゃん。 ちょっと嬉しい。 だって、こんな時間に一人でお弁当とビール買ってく女なんて…ちょっと見られたくないもの。 「いらっしゃいませ」 はーい。こんばんはってねー。 買うのは決まってる。 いつものラガーなビールとカフェオレ。それとお弁当。 今日は海苔弁にしようかなっ~。 レジに向かい電子マネーで支払おうとカードを探していると、 「あの。お腹空いてます?」 とレジのお兄さんが聞いてきた。 「えっ?」 「おでんで嫌いなやつありますか?」 一瞬キョトンとしてしまったが… 「いや、特には…」 「じゃあ、これ、よかったら貰ってくれませんか?」 とカップに取り分けたおでんを目の前に置いた。 しかも結構入ってる。 「こんなにたくさん?いいですよ!お店の方達で食べてください!」 「いや、実はこれ、売れ残りで。染み込みすぎちゃったやつなんですよ。」 はにかんだ笑顔でチラリとおでんの方を見る。 「働いてるといつも食べてるから飽きちゃうんです…。染みてるから、絶っ対おいしいんですけど!」 そういってお兄さんは私をみてニッコリ笑った。 黒ぶちメガネがよく似合ってる。 絶っ対…? なるほど… 「じゃあ、そんなにおいしいなら…」 .
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