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叔父さんは物理担当という事で、まずは一安心した。
まあ、あれだけの性の持ち主。いくら何でも担任は無理だろうな。
舛川「――さて、着いたよ」
俺は担任である舛川 然(ますかわ ぜん)先生に連れられ、1-Bの札がかかった教室に着いた。
パッと見て、この先生は安全だと思った。
黒髪は今時珍しく七三分け。落ち着いていて、その朗らかな風貌は教師間での信頼もある事だろう。
舛川「じゃ、入るよ。後に続いて入ってきてね」
陽向「はい」
――ガッ、
何か引っかかったような、そんな音が気の所為か聞こえた直後、舛川先生の姿が視界から消え――
ガンッ!!
『えっ!?』
俺や教室にいるクラスメートの声が、見事にかぶった。いや、それより……
俺はチラと足元を見た。
……引き戸の段差、約2センチ。
陽向「…………」
前言撤回。
この先生は『ドジ』か!しかも壊滅的な類の!
と、ムクリと起き上がっ
*「きゃあっ!?」
陽向「!舛川先生、鼻血が!」
舛川「ん……?」
女子の悲鳴と俺の指摘に、舛川先生は鼻に右手をあて、血がついた自分の指を見た。
そして、皆を一瞥し、苦笑しながら一言。
舛川「いや、ビックリしたね?」
『先生にビックリですよ!?』
今度は全員一致団結。
何故か初日でまとまった1-B…まとまってるのか?コレは。
陽向「とにかく鼻血を拭いて下さい!」
舛川「ああ、すまないね。……ブーッ!」
陽向「噴いた!?」
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