♯1・入学式と出逢いと

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‡‡ 渉「――お、いたいた!陽向!音成!」 陽向「?」 奏「ほぇ?」 後者は音成だが……いや、「ほぇ?」ってなんだ。 俺達を呼び止めたのは渉だった。どこから走ってきたのか、少し息が上がっている。 陽向「大丈夫か?」 渉「大丈夫。……なんだ、音成が町を案内してやってんのか?」 陽向「まあ、そんなとこr 奏「違うよ?ぶらぶらっと話しながら、何となく歩いてただけだよ♪」 気遣いを踏みにじられた! 渉「だと思ったよ。代役を任されないと、積極的に動かないもんな?」 陽向「代役?何のだ?」 渉「ああ。島の長が音成の祖父(じい)さんで、観光業務的なモノは大体、こいつが代役でやってんだよ」 陽向「へぇ……」 奏「感心してくれて嬉しいんだけど、未だ分からない事があるんだよね……」 渉「何が?」 奏「……陽向君なら知ってるかな?訪れた人達の大半が、私を見て『ウグイス』だ『ロリ』だ『萌え』だ言うんだけど……」 陽向「……ああ、『ウグイス』は美声だっていう例えに使う言葉だよ」 奏「へぇ……じゃあ、『ロリ』と『萌え』は?」 陽向「…………なあ、」 奏「?」 陽向「身長って、結構気にしてる?」 奏「してるよ!でも、何で?」 陽向「あ……聞かなかった事にしてくれ」 奏「えー!気になるんですけど?」 渉「陽向」 突然、渉がコソッと耳打ちをしてきた。 渉「それを訊くって事は、2つの言葉に共通してる要素って……」 陽向「飲み込み早くて助かるよ。――言えないから」 渉「言えないな」 奏「えっ?渉、もしかして分かったの?」 分からない方がいい事もあるんだ、うん。 ヘコむから。絶対 ‡
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