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渉「――お、いたいた!陽向!音成!」
陽向「?」
奏「ほぇ?」
後者は音成だが……いや、「ほぇ?」ってなんだ。
俺達を呼び止めたのは渉だった。どこから走ってきたのか、少し息が上がっている。
陽向「大丈夫か?」
渉「大丈夫。……なんだ、音成が町を案内してやってんのか?」
陽向「まあ、そんなとこr
奏「違うよ?ぶらぶらっと話しながら、何となく歩いてただけだよ♪」
気遣いを踏みにじられた!
渉「だと思ったよ。代役を任されないと、積極的に動かないもんな?」
陽向「代役?何のだ?」
渉「ああ。島の長が音成の祖父(じい)さんで、観光業務的なモノは大体、こいつが代役でやってんだよ」
陽向「へぇ……」
奏「感心してくれて嬉しいんだけど、未だ分からない事があるんだよね……」
渉「何が?」
奏「……陽向君なら知ってるかな?訪れた人達の大半が、私を見て『ウグイス』だ『ロリ』だ『萌え』だ言うんだけど……」
陽向「……ああ、『ウグイス』は美声だっていう例えに使う言葉だよ」
奏「へぇ……じゃあ、『ロリ』と『萌え』は?」
陽向「…………なあ、」
奏「?」
陽向「身長って、結構気にしてる?」
奏「してるよ!でも、何で?」
陽向「あ……聞かなかった事にしてくれ」
奏「えー!気になるんですけど?」
渉「陽向」
突然、渉がコソッと耳打ちをしてきた。
渉「それを訊くって事は、2つの言葉に共通してる要素って……」
陽向「飲み込み早くて助かるよ。――言えないから」
渉「言えないな」
奏「えっ?渉、もしかして分かったの?」
分からない方がいい事もあるんだ、うん。
ヘコむから。絶対
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