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渉「そういや、陽向ってどの辺に住んでるんだ?親戚とか?」
陽向「『そういや』ばっかだな今日。……街から少し北に行った所だよ」
奏「北って……森だよね?」
陽向「森と街とのちょうど半ばくらいだよ。一軒だけポツンと建ってるだろ?」
渉「建ってるけど、あれ結構新しい家だよな?」
陽向「そう、それ――ってか、街から離れた所に建ってるってウチだけだしな。パッと見たところ」
奏「パッと見たところじゃなくても、あの一軒しか無いよ?……って事は、そこに何人で暮らしてるの?」
陽向「1人」
渉「ん?」
陽向「…だから、俺1人だよ。あの家を借りてるのは…あ」
……喋りすぎたか?こういう場合って、展開は必然的に――
渉「じゃ、今からレッツゴー!」
奏「おー♪」
やっぱりこうなった!
いや、今日会って話した2人だけど、こんな軽い感覚でいいのか?
……いや、
陽向「……何も面白くないからな?」
渉「家にまで面白さは求めないって」
奏「そうなの?孤立した家だから、こう……廻る扉とか」
渉「あるワケないだろ!」
陽向「……前の住人は武家屋敷を建ててないと信じたいけどな」
渉「流石にないだろ?」
陽向「渉……人間、やろうと思えば可能なんだぞ?」
渉「マジか!?じゃあ、形を変えれるとか」
陽向「どんな構想だよ」
――まあ、結論として、
この2人の思考回路の終着点は、ほぼ同じだという事だ。
……なんだか、悪感がしてきたのは気の所為だろうか?
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