♯1・入学式と出逢いと

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‡‡ 渉「そういや、陽向ってどの辺に住んでるんだ?親戚とか?」 陽向「『そういや』ばっかだな今日。……街から少し北に行った所だよ」 奏「北って……森だよね?」 陽向「森と街とのちょうど半ばくらいだよ。一軒だけポツンと建ってるだろ?」 渉「建ってるけど、あれ結構新しい家だよな?」 陽向「そう、それ――ってか、街から離れた所に建ってるってウチだけだしな。パッと見たところ」 奏「パッと見たところじゃなくても、あの一軒しか無いよ?……って事は、そこに何人で暮らしてるの?」 陽向「1人」 渉「ん?」 陽向「…だから、俺1人だよ。あの家を借りてるのは…あ」 ……喋りすぎたか?こういう場合って、展開は必然的に―― 渉「じゃ、今からレッツゴー!」 奏「おー♪」 やっぱりこうなった! いや、今日会って話した2人だけど、こんな軽い感覚でいいのか? ……いや、 陽向「……何も面白くないからな?」 渉「家にまで面白さは求めないって」 奏「そうなの?孤立した家だから、こう……廻る扉とか」 渉「あるワケないだろ!」 陽向「……前の住人は武家屋敷を建ててないと信じたいけどな」 渉「流石にないだろ?」 陽向「渉……人間、やろうと思えば可能なんだぞ?」 渉「マジか!?じゃあ、形を変えれるとか」 陽向「どんな構想だよ」 ――まあ、結論として、 この2人の思考回路の終着点は、ほぼ同じだという事だ。 ……なんだか、悪感がしてきたのは気の所為だろうか? ‡‡
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