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陽向「……そろそろかな」
奏「陽向君、サラダOKだよ♪」
陽向「サンキュ。じゃ、これ盛ってくれるか?」
奏「うん」
渉「…………」
ぐぅ~~……
陽向「…………」
奏「…………」
渉「…………なんか、腹へったな♪」
陽向「手伝えよ!?」
奏「手伝ってよ!?」
俺と音成がそうツッコむと、渉は声を上げて笑った。何で……
渉「いや、お前ら夫婦みたいだな?仲良くキッチンに並んで♪」
奏「~~ッ///」カアッ
陽向「……あのな」
顔を真っ赤にする音成を傍目に、俺は渉を見据えたまま溜め息を吐いた。
陽向「遅くなったから夕食にしようぜ――なんて、図々しい事言ったのは誰だよ?」
流れとして、明らかおかしな展開になった。
もう夜の7時になっているのだが、それもこれも、2人が戯れていた結果だ。
渉「いいじゃん?俺も音成も門限ないし、陽向だってそう言いながらカレー作ってるし」
陽向「カレーはお前のリクエストだろうが!」
渉「サラダ作ったからいいだろ」
陽向「作ったの音成だよ!」
ぐぅ~~……
渉「……てへ☆」
陽向「可愛くない!つか、腹の虫で催促するなよ!?」
奏「が~ん……」
陽向「いや、音成には言ってないから」
……こうやって、また流されていくんだよな。
誤魔化されてるような気がするけど、俺は正直、心の中では悪く思っていない。
自分の性だ、っていう理由もあるけど……それ以前に。
1人だと寂しい。
孤独は、俺の中で一番嫌いなモノになってしまったから。
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