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海斗「――しかし」
陽向「?」
楓「兄さん……何じろじろと私を見てるの?」
海斗「…………」
陽向「叔父さん?」
海斗「……なあ、陽向君」
陽向「何?見た事ないくらい真面目な顔して――っ!?」
ずいっと叔父さんが体を乗り出してきた為、俺は反射的に体を引いた。
意識しなくても、ピクリと頬が引きつる。
陽向「……ゴホッ」
臭っ。
あれ、これはマジで家畜フラグですか?いや、んなフラグはないけど、それくらいの臭いだぞコレ!
そんな俺の気をよそに、叔父さんはくいっと右手の親指で楓姉さんを指さし、
海斗「……楓の胸、また大きくなったよな?」
陽向&楓「「………………」」
――……こ、
この人さっき俺が避けたフラグを自然に立てた!
と、
楓「兄さん!?//」
カアッと顔を真っ赤にした楓姉さんが、ガタンと椅子を鳴らして海斗叔父さんを見た。
言うのを忘れてたけど、楓姉さんはその外観に反し、歳の半分に見られる程の童顔の持ち主。
言葉がおかしくなるけど、初々しい反応を見てるみたいで、至極複雑な心境になる。
叔父さんの爆弾発言もそうだけど、俺だって明日から高校生。健全な男子だ――なんて、自分で言う事じゃないが。
刺激の強い発言は自重して欲しいよ。本当に。
海斗「……そう思うよな?同志よ」
唖然と固まってる筈なのだが、何故か肯定に捉えられ、挙げ句は同志にされる始末。
もう、勝手に――
楓「はっ!」ヒュッ!
海斗「ごぉっ!?」ビクンッ!
股間を抑え、床をゴロゴロ転がる叔父さん。
変わらずにご飯を食べる楓姉さん――の後ろの冷蔵庫に、いつの間にか傘が。
陽向「……楓姉さん」
楓「ん?どうしたの?」ニコッ
陽向「……何でもないです」
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