旅の道連れ

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「そこな番人よ。」 自分にツカツカと迷いなく近づいてきた人物を見留めると、銀獅子丸ははじかれたようにその場に膝をついた。 「皇子様!ご機嫌うるわしゅう。」 「挨拶はよい。精霊刀の所まで案内してくれ。」 「精霊刀でございますか?」 顔を上げて皇子を見る。 切れ長の大きな瞳が銀獅子丸を見下ろしている。 「そうだ。あなたは番人であろう?場所を知っているのかと聞いているのだ。」 「はい、存じ上げておりますが・・・理由をお聞かせいただきたいのです。」 「理由?なぜあなたに話す必要がある?」 黒龍の表情が少し曇る。 しかし、銀獅子丸は動じずに続けた。 「精霊刀は、国家を揺るがすほどの力を持つ武器です。恐れながら皇子といえど、正当な理由をお持ちでなければ簡単にはお渡しできない決まりになっております。 もちろん、お聞きしたことは絶対に口外いたしません。」 黒龍はじっと銀獅子丸の眼を見つめてからこくりと頷いて話し始めた。
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