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「最近、この都近郊に異形の魔物が現れているのは知っているだろう。夜な夜な人々を襲い、怪我人ばかりか死人まで出ている。
私はかねてよりその魔物をどうにかせねばと考えていたが、やっと対策がわかったのだ。
月読の社より使者があり、社に精霊刀を納めれば魔物は消えるとのお告げがあったとのこと。
これは試してみるほかない・・・。そのために精霊刀を持ち出したいのだ。」
銀獅子丸は頷きながら聞いていたが、「月夜美姫様が・・・」と小さく漏らした。
「なんだ?」
黒龍の問いを、いいえ、お気になさらずと受け流すと銀獅子丸は立ち上がった。
「理由は精霊刀をお渡しするに値するものだと確認できました。ご案内いたします。」
「頼む。」
黒龍は、銀獅子丸に続いて薄暗い宝物庫へと入っていった。
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