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兄が死んでから5年間、わたしは彼の言い付けを守り生き続けてきた。
5年前始動した【吸血鬼同化計画】。
政府の研究チームに所属していたお兄ちゃんは、その計画が始まるのと同時に自ら命を絶った。
わたし独りを残して━━…………。
「りりあ、ニュース見た?先月捕獲された人間の数、供給量に全然足りなかったんだって」
学校で支給される゙血″を飲みながら、友達のマリナは笑った。
「……へぇ」
口元を紅く濡らすマリナに、相槌を打つ。
月に照らされた廊下を行き交う吸血鬼たち。
毎晩の授業が終わると食堂で支給される血液を、全員が上手そうに補給している。
この゙血″は政府が所有する【食糧庫】から届くものだ。
国民全員には行き渡らない。
この食糧庫から来る゙血″は政府が認定する企業や学校、施設だけがもらえるものだ。
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