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ガチャリ。
後ろからの追跡音が消えたかと思いきや不吉な音が聞こえた。
ここで振り向く訳にはいかないのだろうが、走りながらに後ろを見た。
さっき追ってきた男が立ち止まり立派な銃を持っている。
定めるは俺。
あれは、素人の俺でも分かる。
立派な銃口、重そうな形。ショットガンってやつだ。
普通の人間がくらったらバラバラになるのは目に見えてる。
あり得ない、他人だぞ。
何故殺そうとする?
殺人によっての快楽者か?
どちらにせよ運が無い。走るにしても避ける自信も毛頭ない。
死ぬ。
解っていても認めたくない事実。
死にたくない、当たり前だ。
とにかく走れ。もっと速く。
逃げるんだ。状況とは裏腹に中々上手く走れない。
「ガハハ、これで楽になれるぜ。」
馬鹿か。
楽になるのはこっちなんだ。頭がおかしいんじゃないのか。いや既にそれは解っていることだろう。
くそっ…
死にたくない
ドンッ
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