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父は最後まで泣かなかった。
母が入院しているときに、一緒にお見舞いに行った記憶なんて全くない。
そんな父が嫌いだ。
母がいなくなった日から、私は父と一度会話を交わしてない。
家にいたくない。
だから通いたくない学校に逃げ場をつくる。
お母さんがいなくなって、私の居場所はどこにもなくなった。
本当にこれからどうすればいいんだろう。
「うぅ。」
その場にしゃがみこむ。
両膝を抱え、腕の中に顔を埋めてうずくまった。
『美羽、神様はいるんだよ。』
お母さんの口ぐせだった。
「……っ…」
神様って本当にいるのかな。
いるなら、どうしてお母さんだったの?
お母さんを返してよ。
ねぇ、神様。
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