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「!」 突然の声に驚いて、とっさに後ろを振り向いた。 「ハハ。驚きすぎでしょ。」 そこにいたのは、どこか見覚えのある一人の男子生徒。 両手をズボンのポッケに入れながら、まっすぐ私を見て飄々と立っていた。 「……ねぇ。キミさ、何してんの?こんな屋上にひとりで。」 「え…?」 その質問、逆に私がしたいくらいだ。 だって今は、5時間目の授業のはずなのに。 「なんか目ぇ真っ赤だし。赤すぎてウサギみたい。」 色素が薄い茶色の髪の毛。 クスクスと身を屈めながら目の前の彼は笑った。
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