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民家
3人共、車に関してはあまり知らない。
その事実もありより焦りは増してくる。
『そうだ携帯で助け呼べばいいやん』(シュウ)
『じゃぁうちが連絡してみる』(ユイ)
『電波がない』(ユイ)
『えっマジ…』(俺)
他の2人も自分の携帯を見る。
『アカン!俺のも』(俺)
『俺も』(シュウ)
『とりあえず、人探すか』
とシュウが言い
このままここに居てどうしようもない状況だった為、俺は
『そうするか』
と答えた。
とりあえず歩きだそうとしたら、ユイが
『うち怖いから残る』
と言いだした。
『ここトンネルの中だし、一緒に行ったが怖くないよ』
と俺とシュウは言ったが、ユイは残ると言い張った。
しょうがないかと思い、俺は
『すぐ戻るから待ってて』
とユイに言って、シュウと2人で歩きだした。
周りを気にしていなかったが、トンネルを抜けると海と山に挟まれた道路だったことに気付いた。
海の方を見ると岩がモアイ像によく似ていた。
今の状況でそんなことどうでもよかった俺達は、話題にもせず歩き続けた。
1キロぐらい歩いただろうか。
道路から少し離れた所に民家らしき光が見えた。
時々、携帯を見て見るが電波は相変わらず立たない。
『あの家で助け呼んでもらおうぜ』(シュウ)
『おう』(俺)
民家に近づくと家の周りは草が生い茂っており、手入れされてないようだ。
民家には呼び鈴がなかった為、俺はノックをした。
ノックして10秒ぐらいたった頃、中から80代ぐらいのおばあさんが出てきた。
おばあさんに事情とユイを残してきたこと話し助けを呼んでもらおうとすると、おばあさんは大声で
『女の子をなんでおいてきたんじゃ!!危ない!危ない!!』
急に大声を出されたので、2人はビックリし、
『なにが危ないんですか?』
と質問した。
だが、おばあさんは危ない、早く戻れと繰り返すばかり。
大声とその形相にユイが本当に危険だと察知し、2人は急いでユイのもとに走った。
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