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「嫉妬されないのは寂しいけど、度が過ぎるとイラつく。言い方もムカついたし」
尾関さんが口にするとおり、原因は船井さんの嫉妬だった。
確かに尾関さんは人気があるのが納得できる美人だし、実際に取引先からの電話でも尾関さんを名指しされることもある。
内容的には私でも分かる範囲だが、あえて尾関さん指名だ。
部署に女性は2人のみで私と尾関さんしかいないのだから、そんな電話を取ってしまうと、結果的に私と尾関さんが比べられているようで少し落ち込む。
もちろん否定のしようがないほど尾関さんは美人なのだけれど。
今回は、取引先の男性から仕事にかこつけたお誘い電話があり、尾関さんが適当に受け答えしていたのを自席にいた船井さんが聞いていて、そのことについて尾関さんに注意した。
その注意も普通に素直に面白くないと言えばいいものを、相手に媚びているように聞こえるなどと嫉妬丸出しで言ったものだから、尾関さんが怒ったのだ。
「取引先だからさ、キッパリ拒否とかしたら後がどうなるかな?って考えてたのに」
冷静に考えれば、相手は取引先でお客様だから曖昧に逃げるしかなかったことくらい分かるだろう。
実際、分かっているのだと思う。
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