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職場のコミュニケーションは大切だ。 明里もそう思っている。 会話もしたことがない相手とは円滑に仕事が出来ない、とまでは言わないが円満な人間関係の相手とはやり取りもスムーズだ。 先輩方はそれを身をもって知っているからこそ協調性を必要とし、相手のことを知ろうと努める。 もちろん、ただの好奇心が成分の半分以上を占めることもある。 チラリと隣を見て、内心で明里は首を傾げた。 なぜ、こうなったのだろうか…と。 考えながら、今度は現実世界で溜め息をついた。 「尾関さん、飲み過ぎ」 溜め息と共にこぼれ落ちた言葉は、相手にきちんと届いていた。 「飲みたくもなるでしょ」 クールビューティーな彼女が言葉を返してくれるが、その頬はテーブルにペッタリ密着している。 顔はなにも変わらないが、その目だけは酔っぱらい独特のトロンとした妙に色気のある目をしていた。 再び明里は心の中で呟く。 船井さんめ 尾関さんのこの状態は、同僚の船井さんのせいだった。
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