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それは棗が男と闘う少し前にさかのぼる…
「土方さ~ん、折角買ったお団子食べないんですか~?」
と、前を歩く男の背中に話し掛けながら青年は手に持った団子を美味しそうに頬張る
声をかけられた男はそんな青年をちらっと振り返り一言…
「フン、みたらし団子なんてそんな甘ったるいの食えるか!」
すると青年は
「この甘じょっぱさが良いんじゃないですか~まったく土方さんは…甘味が苦手なんて人生の半分は損してますよ!」
とぶつぶつ言いながらまた団子を頬張る
そんな二人を後ろから見つめながら団子を頬張る男…
「総司…人それぞれ好みはある。」
彼は青年を総司と呼び肩を叩きながら言った
すると総司と呼ばれた青年は…
総 「一くん…でも甘味が苦手なんてありえませんよ!!」
総司の屁理屈に彼は些か呆れながらも
斎 「総司、お前は野菜が苦手だろ?それと同じことだ」
斎藤に諭され口を尖らせながらそれでも総司は納得のいかない様子だった
そんなやり取りを見兼ねた男は
「分かった、分かった。食やぁ良いんだろうが!食ゃぁ! ったくしょうがねぇなぁ」
と渋々団子に手を伸ばす
総 「ふふっ どうですか?土方さん、丸福のみたらし団子は?」
ニコニコしながら男に聞く総司
土方と言われた男は一口団子を噛ると…
土 「…甘めぇ」
と眉間にしわを寄せて言った
そんなやり取りをしながら町からの帰り道、ふと後ろを歩いていた斎藤の足が止まる…
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