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次の瞬間…バキッ バキバキっと言う木が砕ける音がした
咄嗟に斎藤が振り返ると女の構えていた枝が衝撃に耐え兼ね砕けていた
振り上げられる男の刀、斎藤が不味い!と思った瞬間男が
「ぐぁああっ!な、なんだこりゃ!?」と叫びながら後ろによろめいた
そう、男が刀を振り上げた瞬間総司は持っていた団子の串を物凄い速さで投げ、男の腕にグサッっと突き刺さったのだ
予想外の痛みに驚きよろめいた男はニ、三歩女から後ずさった
その間に、斎藤は木の枝に引っ掛けられていた子供…真琴に近寄ると、目の前にもう一人の子供、誠也が両手を広げて立ちふさがった
誠也は、目に涙を一杯に溜め震えながらそれでも斎藤の前に立ちふさがる
斎藤は フッと微笑むと誠也の前に屈んだ
そして穏やかな声で
斎 「大丈夫だ。お前達に危害は加えない、その子とお前を助けたいのだ」
普段は無表情で感情をあまり表に出さない斎藤だか、無意識にか子供達を安心させる笑みを浮かべていた
立ちふさがっていた誠也が斎藤の顔をじっと見てコクン、と頷くと横に退いた
斎 「 ありがとう」
斎藤は誠也の頭を大きな手で一撫でし、真琴に近寄ると
斎 「今、下ろしてやるからな。」
と、真琴に声をかけ抱き上げて枝から外した
唖然とした真琴は泣くのも忘れぽかん…としていた
そして斎藤に抱き上げられ咄嗟に斎藤にしがみ付いた
そんな真琴の様子を斎藤の足元で誠也が心配そうに見上げていた
そんな様子を土方は横目で見ながらクックックッ…と喉をならして笑っていた
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