目を覚ました場所は…

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そして話は冒頭に戻る 総司に 再び大丈夫かと尋ねられた棗は我に返り 棗 「は、はい…大丈夫です」 と何とか応えた。 そんなやり取りをしていると、串を引き抜いた男が喚き散らした 「何なんだてめぇは!横からしゃしゃり出てきやがって!! 邪魔するならぶった切るぞ!!」 と凄む男を余所に、なら良かったと微笑んだ総司は、うって変わって男に刀を向けると 総 「五月蝿いですね…黙ってもらえませんか、黙れないなら私が黙らせて差し上げますよ」 と黒い笑みを浮かべた次の瞬間 ガキィン!! ザザザッ ドサッ! っと言う音と共に男が総司の刀によって弾き飛ばされ、男はピクリとも動かず気を失ったようだ 棗 (っ、強いこの人…) と棗が呆気に取られているとクルッと振り向いた総司はニコニコと笑っていた とそんな時、後ろから 「「 ママ!! 」」と言う真琴と誠也の声が響いた 棗がはっと我にかえり、振り返ると二人が斎藤の隣に立ち尽くしこちらを見ていた 棗 「真琴! 誠也!」 棗はそう叫ぶと痛む体にも関わらず二人の元に駆け出した それを見た真琴も誠也も棗の方に駆け出した 棗 「真琴! 誠也!大丈夫?怪我は?痛い所は無い?」 ギュッ… 二人の元に走りよりしゃがんだ棗はたまらず声をかけ、二人を力一杯抱き締めた 真 「 ママあたしは大丈夫だよ!あちこち擦り傷はあるけど平気だもん!」 真琴がハニカミながら、でも目に涙を溜めて抱き付いてきた 誠 「 ママ、ママ~!うぁ~ん」 誠也は緊張の糸が切れたのか、棗に抱き付いてわんわんと泣きだしてしまった 棗は、真琴も誠也も一緒に抱き締めて背中を擦ると本当に無事で良かったと何度も呟いた そんな三人を土方、斎藤、総司は目を細めてホッとした顔で見ていた .
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