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棗の目に飛び込んできた光景は泣きじゃくる真琴の襟首を掴み刀を向ける男…
その男の足に必死にしがみつき引っ張る誠也であった
次の瞬間棗は痛みを忘れ駆け出していた!
棗 「真琴!!誠也!!」
その声に気が付いた男は足にしがみ付く誠也を蹴り飛ばし、掴んだ真琴を抱え込んだ
そしてニヤリと厭らしく笑うと喋りだした…
「この餓鬼どもはお前の子か? 泣き声がするから来てみれば…妙な格好の餓鬼が二匹いるじゃねぇか、だがこの女のガキは売っぱらえば良い金になりそうだ…男の方はいらねぇな…それにお前も遊廓に売れば良い金になりそうだなぁ」
と舌なめずりをしながら近寄ってきた
棗は咄嗟に蹴り飛ばされた誠也の下に駆け寄り抱きしめてから背にかばうと、キッと男を睨んだ
棗 「真琴を、私の娘を返せ!!」
棗の後ろには震える手でしがみ付く誠也…
男はそんな二人を嘲笑うと真琴を近くの木の枝に引っ掛けた…
真 「うぇ~ん!!ママ、ママ~」
枝にぶら下げられ足をばたつかせ暴れる真琴を一瞥すると男は刀の峰で肩を叩きながらゆっくりと近寄ってきた
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