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正蔵はいつもひかり輝いていた。
正蔵の通り名は“反射版”だ。
正蔵は毎朝寂しい頭に何も施さず、ジョギングに出るので太陽光をモロに浴び、その物寂しい頭で全てを反射した。
それにより朝目覚める人も少なくは無い。
8月3日。
いつものようにジョギングをしに行こうとしている正蔵の前に一人の少年、桐谷真也が現れた。
真也は正蔵の孫だが今は二人で生活をしていた。
「おじいちゃん!!ちょっと待って!頭に日焼け止めクリーム塗らないと!」
「まてまて真也!お前その髪型はなんだ!男ならなスキンヘッドにするんだ。人間ってのはいつか必ずスキンヘッドになるときがくるんだ。だから今のうちにしとくんだ」
「…」
真也は呆気にとられ黙り込んだ。
正蔵はそれを無視するように喋り続けた。
「真也よ…よく聞くんじゃ。これはな自然の摂理なんだ。本来人間があるべき姿なのかもしれん。」
真也の唇がかすかに動いた。
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