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「ハニーちゃん!ねぇハニーちゃんってば!」 ハッと我に返ると隣に座っていたはずの海人が着替えを抱えて立っていた。 「ごめん。ぼーっとしちゃった。」 「ねぇ早くお風呂入ろうよ!」 「えっ!?」 すっかり忘れてた。 とっさに禅を探すと、キッチンで洗い物をしている。 「あっ!ごめん!禅ちゃん!代わるから!」 慌てて立ち上がるとグイッと手を引かれそこに海人がいたのを思い出した。 「ごめん、海人くん。今禅ちゃんと代わるからね。」 海人は蜜の服の裾を掴んで離さない。 「海人くん?」 「ぼくハニーちゃんとお風呂に入るんだもん…」 しゅんとして俯くがそれでも掴んだ手は離さない。 何て声をかけたらいいか迷っているとキッチンから聞こえていた水音が止んだ。 顔を上げると手を拭きながら禅がやって来る。 そして俯いた海人を抱き上げるとにっこり笑った。
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