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勢いに任せて入った浴室を見て蜜は呆然と立ち尽くした。 お風呂が…お風呂が… 丸い!!! これよく映画とかに出てくる金持ちの家にあるやつじゃん! しかもテレビまで付いてる! 公務員ってそんなに給料良いんだ! ひたすら感心しながらもよくよく考えてみれば、寝室もリビングもキッチンも広かったし、他にも部屋がありそうだった。 「ねぇハニーちゃん」 海人の呼びかけにハッとして慌てて海人に目を向ける。 シャンプーしてたんだっけ… 私今日ボケッとし過ぎてるな… 「なぁに?」 「ハニーちゃんはぜんにいちゃんの彼女なの?」 「違うよ。もうその話は終わり。流すから上向いて!」 「はぁい。」 海人が素直に従ってくれて助かった。 恋愛について聞かれても正直困る。 元々兄たちの過保護のせいで経験値は低いし、何よりしばらく愛や恋から遠ざかっているせいで、それがどんなものだったか忘れかけている。 子供相手に上手に説明するなんて到底無理な話だ。
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