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「まったく!中のものが悪くなっちゃうよ!」 蜜の声を背後に聞きながら禅は立てずにいた。 「ハニーちゃん悪いけど海人の髪乾かしてやってくれない?ドライヤーはそこに出しておいたから。」 「いいよ!おーし!ガシガシ乾かしちゃおうか!」 蜜と海人がじゃれ合いながらリビングに行ったのを確認してから禅は大きくため息をついた。 反則だろう? 海人がいて何も出来ないこの状況で、洋服越しとはいえ背中に当たったノーブラの胸の感触に敏感に反応してしまったのだ。 何でノーブラなんだよ? さっきはあんなに警戒してたくせに、風呂から上がったら警戒心ゼロって… 濡れた髪やブカブカの服、上気した肌をチラリと盗み見しただけで反応しかけて、慌てて冷蔵庫を覗くふりをしてしゃがみ込んだというのに。 海人というストッパーがなければ何をしていたかわからない。 元々自分は淡白な方だと思っていたのに今は真逆だ。 欲求不満なのか? 理性には自信がある、なんて尚にえらそうに言ったが、今は全く自信がない。 振り払おうとしても頭の中はノーブラひもパンの蜜の姿がチラつく。 あぁダメだ。 仕方ない。アイツに頼ろう… 「あんなこといいな~できたらいいな…」 ネコ型ロボットのテーマソングを何度も繰り返してようやく落ち着いた。
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